どこまで安全性を高められるか?日野自動車のトータルセーフティ

日野自動車が目指す安全性能とは?

前回は、日野自動車「セレガ」のデザインの魅力を徹底レポートしました。今回は、気になる安全性能や環境性能について探ってみましょう。

イベントに参加したセレガ

(写真は2016バステクフォーラムより)

日野自動車は、事故を未然に防ぐアクティブセーフティと、万が一の場合のダメージを低減するパッシブセーフティに、トータルで取り組んだ安全走行をサポートしています。

日野の安全性能について

(写真は東京モーターショウ2015より)

まずは運転の疲れを軽減するために、人間工学に基づく快適なドライバーズシート、的確な運転情報の提供、ESスタート(坂道発進補助装置)、安全な車間距離を一定に保つスキャニングクルーズⅡなどを装備。

また、走行中のドライバーの顔の向きや眼の状態を「ドライバーモニター」で常時チェックし、前方不注意や注意力低下が察知された場合には警報を鳴らして知らせます。

セレガのドライバーズモニターデモ

ドライバーズモニターのデモ(東京モーターショウ2015より)

バスフロントガラスに設置されている画像センサーが、道路の白線を高精度に認識。居眠り運転などでバスがふらついた場合に警報を鳴らす「車線逸脱警報(2015年8月の保安基準に適合)」を搭載しています。

衝突の危険を回避する「PCS※(衝突被害軽減ブレーキシステム)」

先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するASV(先進安全自動車)技術。衝突の危険がある場合に働く「衝突被害軽減ブレーキシステム」は代表的なものですね。

実は編集部I、2016年に大阪で開催された「バステクフォーラム2016」で、セレガの「衝突被害軽減ブレーキシステム」デモを体験しています!

セレガの衝突被害軽減ブレーキ体験デモ

セレガの衝突被害軽減ブレーキ体験デモ(バステクフォーラム2016より)

 

セレガのデモを体験

15時30分の回をGet!

日野自動車の「衝突被害軽減ブレーキ」は2タイプあり、デモでは、その両方を体験させてもらいました。

ひとつは停止している先行車(もしくは障害物)があるのに、ブレーキを踏むなどの衝突回避行動がとられなかった場合にかかる自動ブレーキ。

もうひとつは、低速で動いている先行車(渋滞などののろのろ運転など)があり、その車に近づき過ぎた場合にまず警報で知らせ、それでも、ブレーキを踏むなどの回避鼓動がとられなかった場合に自動ブレーキがかかるというもの。

この渋滞時に起きやすい、集中力低下による追突事故を防ぐ機能というのは、日野自動車独自のシステムです。

「PCS(プリクラッシュセーフティ)※」とは、安全運転を支援するために開発されたもの。

PCSが働く仕組み

(画像提供:日野自動車)

ミリ波レーダーが低速で走行する先行車を検知、分析。ドライバーモニターと連携しながら、衝突の危険が高いと判断されると、早いタイミングで強いブレーキがかかるようになっています。

また、ストップランプやハザードランプを点滅することで、後続車に知らせ、2次被害防止も支援。不必要に大きな警報音を、車内に鳴り響かせないように乗客に対しても配慮されています。

今回お話をいろいろ聞かせていただいた、日野自動車のバス製品開発部の山口さんの夢は「バスによる死亡事故をゼロにすること!」

つい先日の2017年4月に大型トラック「日野プロフィア」、中型トラック「日野レンジャー」で、大幅に進化させた安全性能を搭載させて新発売すると発表がありました。

従来の画像センサーに加え、ミリ波レーダーとのダブルで、停止車両や歩行者をより正確に検知し、衝突回避支援を向上させています。

この技術を搭載し、さらなる安全性能に磨きをかけた「セレガ」が登場する日は、そう遠くはないのではないでしょうか。

※PCS(プリクラッシュセーフティ)はトヨタ自動車株式会社の商標登録です。

ドライバーの「ヒヤリ」を予防し、万が一のダメージを最小限に

この他の安全性能として、雪道など滑りやすい道路を走行中に、スピンしたり、横転したりしないように抑制する「VSC(=Vehicle Stability Control)」を搭載。

VSC装着車と非装着車の比較図

(画像提供:日野自動車)

 

警告音で危険を知らせたり、エンジン出力の制御やブレーキ作動で、車線のはみ出しや横転などを防ぐ支援システムです。

ブレーキはEBS(電子制御ブレーキシステム)で、急加速や急ハンドルなどでタイヤが空転(スリップ)するのを防止するアンチ・スリップ・レギュレーションとアンチロック・ブレーキ・システムになっています。

セレガのドライバー席

(写真はバステクフォーラム2016より)

また、衝突を回避できなかった場合のダメージを徹底して低減。運転席、ガイド席、客席最前列にはELR付3点式シートベルト(2列目以降はELR2点式)を装備。かけ間違えを防ぐため、窓側と通路側とでベルトの色分けをしています。

このシートベルト、きちんと締めていれば2点式、3点式にかかわらず、命を守る最大の防御になります。記憶にもまだ新しい「軽井沢スキーバス事故」の際も、大勢の乗客が就寝中でシートベルトを締めていなかった方が大勢いらっしゃいました。

シートベルトを着用してなくても罰せられるわけじゃないし・・・と思う人もいるようですが、命より大切なものはありません。バス乗車時には必ず装着しましょうね!

バスの安全運行を支援するこういったさまざまなシステムは、ますます充実してきています。でもその技術を過信することなく、きちんと使いこなすことがなりよりも大事。日野自動車では、ドライバーやバス会社の意識向上を支援する安全運転講習なども実施されています。バス事業者さんは、ぜひ、活用してみてくださいね。

環境負荷の軽減と燃費向上を徹底追及!

日野のエンジンといえば「AIR LOOP(エアループ)」!

エンジンで使った空気は汚さずに自然に返し、地球にきれいな空気(AIR)の循環(LOOP)を保つことを目指して開発されたクリーンディーゼルシステムです。

通常、PM(煤などの粒子状物質)を除去するためにはディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)を、NOx(窒素酸化物)は尿素水を使って、無害な窒素・水に分解しています。

「AIR LOOP」では、排出ガスを高耐熱性セラミックフィルターを通すことでPMを効率よく捕集。完全自動再生機能を備えた新DPR(フィルターが目詰まりして機能が低下するのを防ぐセルフクリーニング機能)と、尿素SCR※1(排出ガス浄化技術のひとつ)を組み合わせることで、AdBlue(R)※2(尿素水)の使用量も少なくて済むため、経費削減に貢献しています。

大型バスでは全車で平成27年度燃費基準+10%を達成。低燃費でありながら力強い走りを両立させたエンジンです。

不必要なアクセルワーク(急加速など)や急ブレーキを自動で抑え、低燃費走行をさらに支援する「エコラン制御」を導入。

エコツリーで低燃費走行を支援

(画像提供:日野自動車)

 

また、エコ運転の度合いを判定してリアルタイムに表示する「エコツリー」を商用車では世界で初めて搭載。ドライバーの運転意識向上に一役買っています。

7段マニュアルトランスミッションでは、平成27年度燃費基準に対し+20%を上回る低燃費を達成。セレガは「働く車」としてのタフさと、環境へのやさしさを兼ね備えた観光バスなんですね!

「AIR LOOP」については“マイクロバスってどんなバス?「日野自動車・リエッセⅡ」編”も参考にしてください。

さあ、次回は日野自動車の歴史とこれからについて一緒に振り返っていきましょう!

※1尿素SCR(=Selective Catalytic Reduction)
※2AdBlue(R)はVerband der Automobilindustrie e.V(VDA:ドイツ自動車工業会)の商標登録です。

■取材協力・画像提供
日野自動車株式会社

http://www.hino.co.jp/

株式会社ぽると出版
「バスラマインターナショナル」
http://www.portepub.co.jp

★★「2017バステクフォーラム」開催決定★★
もちろん日野自動車さんも参加されます!
http://www.portepub.co.jp/tour.htm
<開催日時>2017年5月26日(金)10時~16時00分(雨天決行)
<開催場所>大阪市 舞洲スポーツアイランド「空の広場」及び周辺
主催:株式会社ぽると出版 バステク事務局
協賛:公益社団法人日本バス協会、近畿バス団体協議会(予定)
後援:国土交通省近畿運輸局(予定)
※入場無料、一般の方もOKですので、ぜひ足をお運びください。

貸し切りバスのことなら「貸切バスの達人」貸し切りバスのことなら「貸切バスの達人」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る