路線バスを借りたい!手配できる?

「貸切バスの達人」事務局に時々ある問い合わせ。それは「路線バスを借りたい!」。

先日も音楽の演奏会があり、公演会場までの移動で貸切バスを手配したいというお客様から、楽器が大きいので出入り口が大きく開く路線バスを借りれないかという問い合わせを受けました。確かに低い音のでるコントラバスは、弦楽器でも木管楽器、金管楽器でもデカい・・・。

最近の路線バスはノンステップで車椅子のまま乗車できるものもあります。つまり開口部が広い。デリケートな楽器を持ったまま乗降りするにはとても都合がいいですね。

路線バス(ノンステップバス)

画像提供:京王電鉄バス

そこで前回、トイレ付き観光バスについて取材させていただいた京王電鉄バスさんに、路線バスの貸切について聞いてみました!

介護施設などで、お花見やレクでリフト付き福祉バスを借りたいという問い合わせもよくいただくのですが、なかなか所有しているバス会社さんがいらっしゃいません。

もしかしてノンステップバスだったら、車椅子のまま乗り降り簡単で移動できちゃうのでは?と考えた編集部I。こちらも合わせて聞いてみましたぞー!

路線バスの貸切には条件がある!

京王電鉄バスさんに限らず、路線バスを運行しているバス会社で、貸切バスの事業免許を持っている会社であれば、路線バスの貸切は可能です。

ただし、道路運送法に定められている通り、出発地または到着地のどちらかがバス会社の営業所がある都道府県に限ります。
京王電鉄バスさんの場合は東京都出発。これは観光バスの貸切でも同じです。

路線バスの貸切で注意しなければならないのは、座席にシートベルトが付いていないので「高速道路」は走行できないということ。

つい先日、国土交通省から貸切バスのシートベルト着用徹底の通達があったばかり。今後は補助席にも必ずシートベルトを設置し、高速道路走行中に限らず、常に着用することになっています。

そもそも路線バスにはなぜシートベルトがついていないのでしょうか?

それは高速道路を走行しないから。道路運送車両の保安基準において、シートベルトが義務付けられていないためです。立ったままバスに乗ることができるのも路線バスだけの光景。一般道で出せる最高時速は60km/h以下に制限されています。

高速道路を利用する都市間高速バスでは立って乗車してる人はいませんよね?高速バスに関しては必ず全員が着席し、シートベルト着用が義務付けられているからです。

もう一つ注意が必要なのは「大型車通行禁止(路線バスは除く)」となっている道路は走ることができません!

「貸切バスの達人」事務局に「路線バスが走ってる道路なんだから、貸切バスも走れるんじゃないの?」という問い合わせがよくありますが、これはNG。

あくまでも路線バスとして決められたダイヤで運行しているものは許可されていますが、貸切運行の場合は観光バスはもちろん、路線バス車両でも通れません。

【路線バスを貸切りする場合の注意点まとめ】
■出発地または到着地のどちらかがバス会社の営業所がある都道府県限定
■高速道路は走れない
■大型車通行禁止(路線バスは除く)の道路は走れない

路線バス貸切りのメリットとは?

路線バスを貸切る最大のメリットは、一度に大勢の人を一気に運べること。立ったまま乗車可能なので、60~70人ぐらいの人が一度に乗車できます。

駅からイベント会場までのピストン輸送や工場までのシャトルバスなどで機動力を発揮します。

ノンステップバスの座席

画像提供:京王電鉄バス

京王電鉄バスさんにうかがったところ、路線バスの貸切は、幼稚園や学校の遠足、企業の研修や運動会、ドラマやCMの撮影などで利用されることが多いそう。

確かに小さい子どもや学生は騒いだりするため、他の乗客と一緒に乗り合わせると気を使いますよね。人数も多いのでたくさん乗車できる路線バスはとっても便利!

それからドラマやCMなどで路線バスのシーンがよくでてきますが、貸切して撮影を行っているんですね~。

ただし、座席数は少ない(大型バスの場合なら20~30人程度)のでご注意を!

車椅子でお出かけに路線バス貸切はアリか?

最近路線バスで進んでいるバリアフリー化。街中で見かける路線バスのほとんどはノンステップバスで、最近では座席をたたんで車椅子を固定できるタイプも増えてきましたね!

ノンステップバスの座席をたたんで車椅子を固定できるタイプ

画像提供:京王電鉄バス

以下の写真は5月に大阪で行われた「2016バステクフォーラム」に出展されていたアリソン・ジャパンのATがついた三菱ふそうエアロスター(三菱ふそうより借用)のノンステップバス。座席を折りたたむとこんな感じです。

ノンステップバスで座席をたたんだ状態

ぽると出版主催「2016バステクフォーラム」より

車椅子のまま乗車し、固定できる金具がついているのがわかるでしょうか?折りたたんだ座席の背面に「降車ボタン」が付いていますよね!車椅子に乗車したまま押せるように配慮されています。

さて、ノンステップバス仕様の路線バスを老人施設や介護施設で送迎用に貸切できるか?といえばできます。

スロープがついているので、車椅子のままラクラク乗車できますし、車椅子利用者じゃなくても、乗車できるように工夫されているので近距離の送迎にはぴったりといえます。

ただし、車椅子のまま乗せて固定できるのは2台までなので、それ以上多い台数の場合は無理。路線バスタイプにはトランクルームがないので、車椅子をたたんで乗せておくスペースがありません。

また、座れる座席数が20~30人程度なのでそれより多い場合もおススメできません。

そして最も注意しなければならないのは、ドライバーさんが福祉バスの乗務に慣れていないという点。

車椅子の取扱いや足の不自由な方の介助など、専門的な知識を持っていないため、スムーズな乗降や送迎先でのサポートができないとお考えください。

つまり、利用する場合は必ず施設の職員や専門的な知識を持つヘルパーさんが同行することをおススメします。

路線バス貸切でおでかけには必ずトラベルヘルパー同行で

ご家族での利用なら、「トラベルヘルパー」という外出支援の専門家などをお願いするのがベストです。旅行先での体調変化など臨機応変なサポートをしてくれるそうなので、こういう方に同行してもらえば安心ですね!

ただ、高速道路を利用した方がいい中~長距離の場合は、必ず、貸切できる福祉バス(リフト付きなど)を利用しましょう。

または、福祉専門のバス会社もあります。そちらを利用すれば、スムーズで快適な旅が楽しめるはず。特別な配慮が必要な場合は専門的な知識や技術を持つ、プロにお願いするのが絶対におススメですよ!

【路線バスを車椅子でお出かけ用に貸切りする場合の注意点まとめ】
■高速道路を利用しない近距離で
■車椅子は2台まで
■座れる人数の20~30人(大型バスの場合)まで
■介護のプロが必ず同行!

※出発・帰着地などの基本的な貸切条件も忘れずに!

路線バスの貸切、料金はいくら?

路線バスの乗車料金は、都心部でだいたい210~220円ぐらい。郊外だと距離制で課金される場合もありますよね。

でも、いくら路線バスタイプを借りたからといって、料金は路線バス並みとは行きません!あくまでも貸切バスとして運行するので、国土交通省が定めた計算式に基づき、使用時間と距離で計算されます。(路線バスの料金体系は貸切バスとは異なるため)

もちろん、運行前と運行後に1時間ずつ点検時間が含まれますし、営業所からお客様が乗車(降車)される場所までの「回送」料金が加算されます。高速道路やバス駐車場を利用した場合の実費も別途必要です。

これは観光バスの場合とまったく同じ。あくまでも路線バスタイプの車両を貸切運行しているからです。

条件が合えば、路線バスの「貸切」もアリ!東京都出発または到着であれば、ぜひ京王電鉄バスさんにお見積りをお願いしてみては?旅行の内容によっては観光バスタイプを借りた方がいい場合もありますので、合わせて相談してみましょう。

高速バスの貸切についてはこちらを参考にしてください。

■取材協力
京王電鉄バス株式会社

http://www.keio-bus.com/
*ご出発地または到着地のいずれかが東京都に限りますのでご了承ください。
*路線バス貸切の問い合わせはお近くの各営業所まで
http://www.keio-bus.com/bustour/kashikiri_rosen.html

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