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盛り上がりを見せる「バスのシートが青色」問題!なぜバスの座席は青いのか?

みなさん、こんにちは!編集部Iです。

つい先日、こんな記事が話題を呼びました。

「バスの座席シートに青色のデザインが多い理由」

そういえば、路線バスの座席ってブルーだったな・・・。

ということで、いすゞ自動車さんの「ミドリムシで走るバス」
取材させて頂いたおり、広報担当の三橋さんにも、その理由についてうかがってみたところ・・・。

「国交省が行っている“標準仕様ノンステップバスの認定制度”というのがあるんです」

えっ、そうなの?知らなかった!!

調べてみると平成16年1月からこの制度が始まったようです。

路線バスの座席色はブルー系、握り棒・押しボタンは朱色系

標準仕様を決めることで、
「誰でも安全に利用しやすいノンステップバスの普及」を推進しようというのが狙い。

このことにより、バスメーカーや路線バス事業者にとっても
ノンステップバスの開発にかかる時間や製造コストが
余計にかかることがなく、メリットがあるというわけです。

国交省では路線バスのさらなる利便性向上をめざし、
“標準仕様ノンステップバス認定要領”を平成27年7月に改正。

その中で「座席色のバリエーション追加」という項目があり、
現在のノンステップバス標準仕様として

●握り棒や押しボタン等の目立たせたい箇所は「朱赤または黄赤」を使用
●座席は目立たせたい箇所と明度差を持たせること

と書かれていました。
色の区別がつきにくい方(色弱の方)でも優先席との区別がつくように、
ということを考慮しているようです。

ここでは具体的に座席シートに「青系」を使えとは書かれていませんが、
床や壁などの色を考えると「青系」かなー?という流れになっています。

編集部員のIのオット、実は、色弱なのですが、
きちんと区別できるのはやはり「青」。
オレンジや赤、黄色が混ざる紅葉などは、

「どこがきれいなのかわからない」

といいます。

時々、びっくりするような紫色の服を買ってきて家族の度胆をぬきますが、
本人には「青」に見えているようです・・・。
そういう点からいっても「赤」や「黄色」が混ざる色より、
シンプルな「青系」が無難ということでしょうか。

ひとことで青といっても
水色~むらさきに近い青までその色調は幅広く採用されており、
もちろん柄があってもOK。
現在、各バス会社で約190種類ぐらいの登録があるそうです。

標準仕様の路線バスは「規制服」のようなもの

標準仕様ノンステップバスの認定制度」で認定を受けたバスの一覧は、
国交省のホームページで公開されています。

各バスメーカーが製造している認定済みのノンステップバスを
バス会社が採用すれば、余計なコストをかけることなく、
スムーズに認定が受けられ、購入の際に補助金がおります。

洋服でいえば「既製服」のようなものでしょうか?
自分たちの考えるユニバーサルデザインで
オリジナルのノンステップバスを開発する場合は、
まさに「オーダーメイド服」。
時間や手間がかかり、コストも跳ね上がるということですね。

ここ最近のインバウンド(海外からの観光客)の増加に加え、
国内でもバスを使った旅行が人気です。

バスの生産も増産につぐ、増産で、
各メーカーとも追いつかないというのが実情。

できるだけ、規格化し、スピーディに生産できるのがベストですよね。

いすゞさんと日野自動車さんの大型・中型バスは同じ工場のラインで生産されており、
「共通設計」になっています。
シートの色・柄も標準仕様として共有化しているとのことでした。

観光バス・貸切バスに認定制度はある?

時代の流れとして、利用者に配慮したバスを採用しようという動きはありますが、観光バス・貸切バスの場合、ノンステップバス普及のための「標準化」は特にありません。

座席の数や内装、シートの配置なども、各バス会社のリクエストに合わせて変更が可能です。

同じ大型バスといっても、正席の数がバス会社によって、40席だったり、45席だったり、いろんなパターンがあるのはそういう理由です。

あえて、座席数を減らし、座席間のピッチを広くすることで、足元のスペースを広げ、乗り心地を快適にしているケースも。

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男性でもこのゆったり感! 【写真提供:シティアクセス】

また、高速バスやツアーバスなどでプレミアムクラスの乗り心地を追及したタイプも続々登場!

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はとバス「貴賓席の旅」で使われているピアニシモⅢ

2015年、代々木公園で開催された「バスフェスタ」に展示されていたツアーバスは白の革張りのシートで1列・2列のゆったり配列。洗面スペースやトイレ付きで、明るく高級感のあるインテリアになっていました。

そして同じフェスタで展示されていたこちらのバスは・・・

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神姫バス・高速バスの「プリンセスロード号」

姫路・神戸と渋谷間を結んでいる夜間高速バスです。

全体的に暗めのインテリア、シートは1列・1列・1列の3列配置。
これなら隣に見ず知らずの人が座った場合でも、きがねなくトイレに行くことができますね。

実は借りにくい、特別仕様のバスとは?

「貸切バスの達人」事務局に、お客様からの問合せで「60人乗りの大型バス」をお願いします。

とか、

「30人乗れる中型バスあるでしょう?」と聞かれることが良くあります。

実は「60人」乗れるタイプの大型バスは、主に企業や学校との契約送迎用として使われているもの。
所有しているバス会社は限られています。
中型バスの30名乗りも同様で、スクールバスなどに使われていることがほとんど。
通常貸切れる中型バスの定員数は27名以下で、補助席がないタイプが主流です。

その理由としては、座席数が「30席」越えてしまうと、中型バスでも特大車(大型バス)扱いとなり、高速料金が高くなるためです。

それから「トイレ付」のバス。

こちらも所有しているバス会社がほとんどなく、また、所有していたとしてもかなりお値段が高い・・・。

バスツアーでたまたま、トイレ付のバスに乗ったことがありましたが
トイレの扉には

「緊急時以外はなるべく使用しないでください。
20~30回ぐらいでいっぱいになってしまいます」

と、書かれてました。

なので、トイレ付だからいっぱいお酒飲んでも安心!
というわけにはいかないようで・・・。
トイレ休憩を頻繁に設定しながらがベストですね。

この他、お問合せが多いものにはリフト付きの福祉バス。

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電動リフト付きの大型バス 【写真提供:日立自動車交通株式会社】

こちらは足立区綾瀬にあるバス会社「日立自動車交通」さんが所有するもの。
バス本体と改造費で約7,000万円かかったそうです!

東京都内でも福祉バスを所有するバス会社は、全体の約1.6%程度しかないというのも仕方のないことかもしれません。

福祉バスを使いたいという時期はやはり重なるようで、一般的な繁忙期(連休や行楽シーズン)以外でも手配が厳しいといいます。

日立自動車交通さんへもたくさん問合せがあるそうですが、数が限られるため、お断りすることも多いとか。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、福祉バスの数を増やしたいと、東京都では1千万円を上限に補助すると発表がありました(2016年1月6日)。

「誰にとっても利用しやすいバス」の数が少しでも増えていくといいですね!

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