貸切バスをチャーターしてバス旅行を計画している幹事さん。バスの見積りを取り寄せ、どのバス会社にするか何を基準に選んでいますか?
もちろん、予算も大切なので、料金はしっかり比較するのは当然のこと。でも、料金にあまり差がない(同じ)場合気になるのが、サービスの良さや安全性ですよね。
そこで、安全なバス会社はどのように見分けたらいいのか、何を基準に評価したらいいのかをお知らせしましょう!
最近話題の「貸切バス事業者安全性評価認定制度」についてもわかりやすく解説。セーフティバスで星マークを取得するために、貸切バス会社がどのように取り組んでいるかもご紹介します。
また「貸切バスの達人」事務局では、ご利用満足度アンケートを実施。評価いただいたバス会社への口コミ情報を開示するとともに、バス会社へ常時、フィードバックし、サービスや安全運行の改善に役立てています。バス会社の評価や口コミが気になる場合は、会社紹介ページをぜひ参考にしてください。
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利用者がバス会社を選ぶ際に、安全対策にきちんと取り組んでいるかどうかを「見える化」する対策の一つとして平成23年(2011年)からスタートしたのが「貸切バス事業者安全性評価認定制度」です。
「貸切バス事業者安全性評価認定委員会(国土交通省、公益社団法人日本バス協会、学識経験者、有識者で構成)が、貸切バス事業者からの申請に基づき、安全性や安全確保のための取り組み状況を評価。
優良であると認められた事業者は、初認定は星一つからスタート。2年ごとの更新で、より高いレベルで安全性を確保していると認められると、二ツ星、三ツ星へとランクアップ。星マークを取得したバス事業者は、国土交通省、日本バス協会のHP上で公表されます。
2024年の国土交通省発表によるバス事業者数は3,556社(引用元:国土交通省ホームページ・バス事業者数)。初年度の認定事業者は224事業者でしたが、2024年2月現在では、全国で2,014の事業者が認定を受けています。三ツ星を取得したバス会社は1,131者、二ツ星は199者、一ツ星は684者です。
最高ランクの三ツ星取得のバス会社は2023年度の1,060者から、1,131者へ約9.3%増加。セーフティバスを取得しているバス事業者は高い安全性を遵守し、維持していることがうかがえます。
三ツ星ランクを取得して維持することは大変なこと。利用者もバス料金ばかりに目を向けるのではなく、こうしたバス事業者の姿勢も評価し、選びたいものです。
認定を受けるには、以下のような申請条件をクリアすることが必要です。
参照元:公益社団法人 日本バス協会「貸切バス事業者安全性評価認定制度の概要」より
初年度の申請は「一ツ星」からスタート。認定を受けるには、書類審査で合計60点以上をとることが必要です。その2年後の更新時に、70点以上で二ツ星にランクアップ。さらに2年後の更新時に80点以上で三ツ星にランクアップ。三ツ星取得は早くても4年はかかります。
また、一ツ星更新時に60~69点以下の場合は現状維持(昇格なし)、59点以下の評価を受けた場合は認定無効(二ツ星更新時に60~69点の場合は一ツ星になります)。
ちなみに2023年度三ツ星4年更新認定事業者は、2025年度の申請が可能で、 90点以上で四ツ星に昇格可能。今後、五ツ星を取得するには、四ツ星を取得したバス事業者が認定時に95点以上を獲得することが必要になります。
セーフティバスの認定は、一度受ければずっと有効なわけではなく、認定後に死傷事故、転覆等の事故、悪質な違反による事故や行政処分を受けた場合は取り消され、一定期間、再申請ができなくなります。
この制度の目的は、安全なバスの運行のために、安全意識のさらなる向上や取り組み続ける姿勢を評価すること。たゆまぬ努力をし続けているバス会社の証として与えられるものです。認定を受けるにはたくさんの項目をクリアすることが必要で、ランクアップすればするほど、評価は厳しくなります。
たとえ三ツ星を取得しても、更新時に80点以上を継続して取れないとランクダウン・・・
セーフティバスマークの有無は、安全に対する取り組み状況が優良なバス会社を選ぶ、一つの指標として大変参考になるもの。迷った場合の指標にしてみてはいかがでしょうか?
「貸切バスの達人」には、「貸切バス事業者安全性評価制度」で認定を受けたバス会社さんが多数参加中!セーフティバス取得の有無を、バス会社紹介ページで公開していますので、確認ください。
料金も気になるけど、サービスや安全性にもこだわってバス会社を選びたい場合は、ぜひ「貸切バスの達人」で見積りをご依頼ください。
「運輸安全マネジメント(通称:安マネ)」とは、人や物を安全に輸送するためにどのように事業を運営していくかを考えること。経済性を優先してしまうと、安全を無視した運行になってしまいがちです。経営者自ら「安全最優先」で運営に取り組み、現場と一丸となって安全意識を高め、管理体制を改善、強化していくために平成18年(2006年)に設けられた制度です。
運輸事業の安全性を高めていくために、以下の14項目(ガイドライン)が決められています。
1 | 経営トップの責務 |
---|---|
2 | 安全方針 |
3 | 安全重点施策 |
4 | 安全統括管理者の責務 |
5 | 要員の責任・権限 |
6 | 情報伝達およびコミュニケーションの確保 |
7 | 事故、ヒヤリハット情報等の収集・活用 |
8 | 重大な事項等への対応 |
9 | 関連法令等の遵守の確保 |
10 | 安全管理体制の構築・改善に必要な教育・訓練等 |
11 | 内部監査 |
12 | マネジメントレビューと継続的改善 |
13 | 文書の作成及び管理 |
14 | 記録の作成及び維持 |
制度がスタートしたいきさつは平成17年(2005年)に起きたJR西日本福知山線列車脱線事故ヒューマンエラー(人間が意図せずに生じてしまうミスや過ち)による機械、装置、システムの誤作動が原因で起きた事故であり、経営陣の目先のサービスや利益を最優先(所要時間短縮や運転本数増加など)で安全対策がないがしろにしてきた問題が指摘されました。
鉄道やバスなど公共交通の安全確保には、事業者への安全意識の浸透、企業における安全風土の構築は欠かせません。このため、具体的な取り組みを強化するために、「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律(運輸安全一括法)」が施行され、平成18年(2006年)10月から制度をスタートさせました。
スタート当初は、200車両以上を持つ、大手のバス会社を対象としてきた「運輸安全マネジメント」の導入ですが、平成24年の関越道高速バスツアーをきっかけに、すべての貸切バス・高速乗合バス事業者へ運輸安全マネジメント実施を義務付けることになりました。
この制度に基づき、「安全統括管理者の選任」「安全管理規定の作成」を行い、管轄の運輸支局に届け出て、輸送の安全に関する基本的な方針を決め、社内組織体制をつくることになりました。経営トップが積極的にかかわることはもちろん、安全運転教育や研修を実施し、運行管理や整備管理が適正に行われるようになど、社員の参加意識も高めるようにしていかなければなりません。
輸送の安全に関し、インターネットなどを活用して、積極的な情報公開をすること。バス会社のホームページで「運輸安全マネジメント」や、「安全方針」というタイトルなどで取り組み内容を確認することができますよ!国土交通省でも安全情報の公開を行っていますので、こちらを参考にするのもよいでしょう。
運輸安全マネジメントへの取り組み状況は、「貸切バス事業者安全性評価制度」で認定される基準の一つになっています。詳しい内容を知りたい方は、国土交通省ホームページ(運輸安全)や「運輸安全マネジメント制度の理解を深めるために」というパンフレットを配布していますので、参考になさってはいかがでしょうか。
運輸安全マネジメントの取り組み状況は、「PDAC」サイクルがつねに回り続け、スパイラルアップしていることが重要!