
【2025年3月貸切バス料金が改定】貸切バスは複数のバス会社から見積りを取らないと損をする「新公示運賃額」について
貸切バス料金を算出するための単価が、2023年9月下旬以降から順次変更になります!今回は2023年6月27日に国土交通省から発表された「新公示運賃額」と、その後2025年3月に改定となり、新しく設けられたコミューター車(ミニバス)区分についてご紹介しましょう。
どこが大きくかわるのか。貸切バス料金はどのぐらい値上がりするのか。
気になる新しい料金制度について詳しく解説します。
現行の「貸切バス運賃・料金制度」では、バス会社の利益が確保できていなかった!?

これまで、貸切バス料金を算出する際に使われてきたのは、2014年(平成26年)4月にスタートした「貸切バスの運賃・料金制度」です。

高速ツアーバス事故を踏まえ、安全・安心な輸送サービスを提供するために「時間・キロ併用性運賃(時間×単価+距離×単価)」に変わりました。
時間と距離、各運輸局ごとに下限から上限までの範囲を決めて公示。各バス会社がそれを基に単価を届け出て運用してきました。
しかし、日本バス協会を通じて貸切バス事業者に行ったアンケートによると、ハイシーズンでも基準額(原価ライン)を下回った金額での契約が約7割、通常期でも約9割が基準額を下回った契約(原価割れ)になっていることが判明。
現状のままではバス事業の経営を圧迫することにもなりかねないことが浮き彫りになりました。
実は「下限額」でバスを走らせた場合、原価割れになってしまう(原価ラインよりも10%安い)基準になっています。バスの利用が少なくなる時期に、少し安い金額で走らせることができるように設定された金額でした。
1年を通じて、この「下限額」で走らせ続けると実はバス会社、赤字になるという金額なのです。安全性を担保しつつ、利益が確保できるのは下限~上限の中間ぐらいの単価以上を適用した場合といわれています。
「新公示運賃額」では下限単価を引き上げ(値上げ)、「上限」をなくすことに

国土交通省では「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」フォローアップ会合を2015年2月からスタート。「貸切バスの運賃・料金制度」を実際に運用してみてどのような課題があるのかが話し合われてきました。
その結果、社会情勢や経済状況に合わせた運賃の見直しが必要であること。深刻な運転手不足、安全性能の高い新型バスへの買い替えなどを進めていくためには、運賃制度の見直しが必要であるという結論に。
これを踏まえて、2023年6月27日より国土交通省から「新公示運賃額」が発表。今までの上限~下限額を公示してきたものを、下限額のみの公示に変更となりました。

また、今までの下限額でバスを走らせると赤字になってしまうということを踏まえ、原価ラインを割り込まない(基準額)を下限額に変更。これにより、貸切バスの最低金額が10~22%程度値上がりすることになりました。
各貸切バス会社はこの基準額を下回らないよう、運輸局に「単価」を届け出て、9月末以降順次適用しています。
「上限額」が撤廃されたことで、バスの利用が増える時期やなど、需要と供給のバランスに見合った価格設定が可能に。また、社会情勢に合わせて柔軟な料金を提示することができるようになっています。

また「新公示運賃額」を運用後、貸切バス運行のコストを踏まえ、2024年に再び見直しが図られる予定です。
(引用元:「公示運賃の見直しについて」第10回「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」フォローアップ会合・国土交通省)
貸切バス料金は見積りを取らないと、これまで以上に正確な金額はわからなくなりました

いままでの「貸切バス運賃・料金制度」では、下限~上限までの範囲が示されており、その基準よりも極端に安かったり、高かったりすることはあまりなかったと思います。
というのも、下限~上限を逸脱する金額設定をする場合、その根拠となる数字を示して運輸局に届け出て、認められる必要があったからです。
およその時間・距離を調べ、最も安い金額と最も高い金額を計算すればだいたいの値段はこのぐらいと検討をつけることができました。
しかし、今後は最低料金はわかっても、実際にバス会社が届け出ている単価はわからないため、見積りを取らない限り正確な料金は出せません。
つまり、1社だけに料金を聞いただけでは、それが安いのか・高いのかわからないということ。今後は必ず複数のバス会社から見積りを取り寄せ、しっかり比較することが重要ということですね!
かねてより要望が多かった「コミューター(ミニバス)」の料金設定が導入されました

マイクロバスよりも小さく、ジャンボタクシーよりも乗車人数が多い「コミューター(ミニバス)」。国土交通省が定めた「新公示運賃額」には大型バス・中型バス・小型マイクロバスの3種類しかありませんでした。
このため、ミニバス(コミューター)を利用しても料金は小型マイクロバスと同じ料金。しかし、マイクロバスよりも小回りがきいて、ガソリン代なども安く済むので、少し安い料金で利用できないかという声があがっていました。
そこで、2025年3月1日(土)に公示が改正され、新たな車種区分として「コミューター車(車両の長さ6m未満で、かつ旅客席数14人以下」が追加になりました(10名以上乗れるタイプはバス会社、9名以下はタクシー会社で手配できる貸切ジャンボタクシーになります)。
ちなみに今回のコミューター車区分新設により、バス会社でコミューター区分を変更する際は、あわせて小型マイクロバスの区分も変更する必要があるのだそう(小型マイクロバスのみ現行の運賃を適用することやコミューター区分のみを新設することはできない)。
なのでバス会社が「コミューター区分」を新設する場合、小型マイクロバスの料金はちょっと高くなります。
▶小型マイクロバス:120円/㎞・4,770円/時間→120円/㎞・4,870円/時間
以下、あらためて車種区分と基準額(関東運輸局の例)をお知らせします。
車種 | 距離(1㎞あたりの単価) | 時間(1時間あたりの単価) | 区分の定義 |
大型車 | 160円 | 6,580円 | 長さ9m以上もしくは50人以上の座席数 |
中型車 | 140円 | 5,560円 | 大型・小型・コミューター以外 |
小型車 | 120円 | 4,870円 | 長さ6m~8m以下、かつ、33人以下の座席数 |
コミューター車 | 110円 | 4,330円 | 長さ6m未満、かつ14人以下の座席数 |
例えば、都内で3時間・50㎞利用した場合の料金で比較してみると…。
- 小型マイクロバス:コミューター区分を設けないバス会社は32,835円から、設けたバス会社は33,385円から
- コミューター(ミニバス):29,865円から
となります。
ちょっとわかりにくいですね…。いずれにせよ、コミューター車を所有しているバス会社は全国的に少ないため、借りにくいタイプであることは事実。
所有しているバス会社があったらちょっとラッキーというところでしょうか。
貸切バスの料金は2年ごとに見直し、2026年秋頃に運賃改定を予定
貸切バス料金は社会情勢や経済状況により、2年ごとに見直しをされることとなっています。次回の改定は2026年秋頃となる予定。
円安・物価高・運転手不足という状況はこの後も続いていくと予想されるので、次回の改定で値上がりは必至!?
すでに利用が決まっているようなら今すぐ予約するようにしましょう。キャンセル料がかかり始まるのは、利用日の14日前からです。
結婚式の送迎や秋の連休にお出かけなど、貸切バスを利用するなら早めに契約をすませてしまうことをおススメします。
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