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グアテマラ名物のド派手な路線バス「チキンバス(カミオネタ)」乗車体験

グアテマラ名物「チキンバス」
画像提供:bon

「チキンバス」という名のバスをご存じだろうか。公式には「カミオネタ」。中米グアテマラの路線バス、市民の足だ。おそらく日本人で知っている方は、相当に少ないだろう。

このため、チキンバスの響きに反応できる方は、相当のグアテマラ・フリークと思う。実際に乗車したことのある方は、さらに希少だろう。

リピーターに関しては、相当の手練れとお見受けする。きっと、熟練の旅人に違いない。なかには、用も無いのに嬉々として乗車を繰り返す人もいるかもしれない。こうなると、よっぽど刺激に飢えているか、真の意味でチキンバス・ラヴな人だ。そう理解している。

旅行者は「カミオネタ=チキンバス」は利用しないでくださいと外務省

日本からのトラベラーはチキンバス利用をおすすめしない

というのも、我々アジア人はグアテマラの人々からすれば、完全にエキゾチックな異国の民だ。顔立ちから肌の色、その佇まいの全てが、あまりに目立ちすぎるのである。

外務省海外安全ホームページ、“グアテマラの危険情報”においても、「カミオネタは利用しないでください」と断じている。要は、治安上、旅行者が気軽に利用するには、トラブル発生のリスクが高い交通機関なのである。

世界遺産・アンティグアがグアテマラでかなり治安が良い理由は警官の数!

世界遺産アンティグア
世界遺産アンティグア

ただ、治安に関していえば、グアテマラにも観光地化された、比較的安全な地域が存在する。そのひとつが、世界遺産にも登録されている、かつての首都、アンティグアである。

ちなみにこのアンティグア、スペイン植民地時代に建造された、多数の教会遺跡が有名なのだが、街全体には、それはもう、凄い数の警官が配備されている。

数分も歩けば、複数の警官とすれ違う。その全てがツーマンセルか、それ以上。当然むき出しの銃で武装している。

ちなみに、アンティグアでは、銀行やホテルのみならず、一部のレストランの入り口にも、ごっつい銃器を携えたガードマンが配備されている。これはマクドナルドのエントランスも同様である。

素晴らしい。私は、朝マックは強盗に煩わされることなく、のんびりとコーヒーをすすりたい派だ。

「グアテマラ警察の名誉と威信をかけ、アンティグアは高度に治安維持をしている」。そうドヤるのは、公園警備の警官。

ではなく、その隣に立っていた、見知らぬ靴磨きのおっちゃんであった。彼は警官ではないが、ジモティが言うなら、まあ、そうなのだろう。確かに夜間外出が可能な中米の都市は少ない気がする。

グアテマラといえばやっぱりコーヒー!

味も香りも最高のグアテマラコーヒー
味も香りも最高のグアテマラコーヒー

また、アンティグアの近隣には、複数のコーヒー農園があり、その多くが観光地化されている。アクセスは容易で、移動手段はUberやタクシー、そしてチキンバスも利用可能だ。

もちろん、犯罪リスクは皆無ではないが、おっちゃんがドヤるだけのこともあり、欧米をはじめとした、一部の観光客はチキンバスを選択している。

そして、幸運にも、私はホームステイ先の現地人を伴い、チキンバスを利用する機会を得た。貴重なバスツアーの始まりである。

アメリカのスクールバスのようなフォルムの「チキンバス」

チキンバスのフォルムは、アメリカのスクールバスそのものだ。聞けば北米で実際に使われたスクールバスの、お下がりらしい。

確かに車内は子供用に設計されている。シート前後の間隔は狭いし、通路も狭い。大人が座るには、少々違和感がある。

とんでもなく狭い車内
画像提供:bon

そして、座れはしたものの、乗車率はゆうに150%を超えている。二人掛けとおぼしきシートには、3人の大人が強引に尻をねじ込む有り様で、さらに同伴の童は、その大人の上に座っているのだ。なかには、大人の上に座る大人だっている

ちなみに、私は他人の膝の上に座るのは気まずい派だ。さまざまな懸念があるのだ。重くはないだろうか?何かの拍子に放屁をしたら、どう弁解すればいい?

なにしろ、私のスペイン語は「イクラちゃん」レベルなのだ。放屁ののち、「ハァーイ」や「バブー」などと口走ったら、さすがに陽気な彼らも、怒り出すことは自明である。

さらに悪いことに、乗車時には空いていたため、私の同伴者は通路を隔てた、反対の席に座っている。だれも私の放屁について、弁明はしてくれないのだ。

よって、私は心底、他人の温もりを感じる膝上でなく、窓際の席につけたこの日の幸運に感謝した。

グアテマラの路線バス「チキンバス」に時刻表などない

それにしてもこのバス、先ほどから一向に出発する気配がない。これはどういうことだろう。不思議に思い、隣の母娘に理由を問う。

すると、チキンバスにはタイムスケジュールなるものが無く、限界まで客を詰め込んだときに、初めて出発する。そんな回答が返ってきた。まだ5~10分はかかるらしい。

そんなに時間があるならばと、私は折り紙を取り出し、おもむろに鶴を折り始めた。回答のお礼をかねた異文化交流である。スペイン語が「イクラちゃん」レベルの私は、よくこうしてジモティとの距離を縮める。

折り鶴で異国文化交流

鶴を折るには、意外に時間がかかり、また、その不思議な製作風景も、外国人にはウケがよい。隣の母娘も興味津々だ。

余談だが、一度、公園で子供相手に同じことをしたら、近くのパントマイマーから、しこたま怒られたことがある。その折り鶴製作中の3分間、私は彼よりも多くの小銭を稼いでいたからだ。日本文化、実におそるべしである。

「チキンバス」には停留所もなければ、ポンピングブレーキもシートベルトもない

チキンバスの運転席
画像提供:bon

さて、折り鶴製作が佳境に差し掛かった頃、チキンバスは突如動き出した。乗客200%の、重い車体とは思えない急加速である。

ぐんぐんとスピードが上がった矢先、バスは「ギギィ!」という破裂音を上げ、急停車した。何事かと窓から伺うと、路上で手を挙げた老婆が、ちょうどバスに乗り込むところであった。

そう、チキンバスには、バス停が無いのだ。乗車したければ、バスに向かって手を挙げ、下りたければ、運転手に向かって叫べばよい。素晴らしくシンプルなシステムなのである。

唯一の欠点を挙げるなら、このいつ襲ってくるか分からない「ギギィ!」である。油断していると、前の席にぶつかって、アバラを持っていかれる可能性がある。

ポンピングブレーキという概念がないのと同様、シートベルトという気の利いたツールもないのだ。さらに言えば、この席の窓、破損のせいか窓ガラスもない。

シンプルさも、ここまでくれば見事である。一発目でアバラを強打した私は、胸部をさすりながら「シンプル イズ ベスト」。そんな言葉を思い出していた。意味はない。

絶叫マシンさながらのドライビング

山道を疾走するチキンバス

さて、若干一名の負傷者を乗せ、チキンバスは次の都市を目指し、山道をビュンビュンと飛ばす。時速80から90㎞といったところだろう。途中のヘアピンもビュンビュンだ。

体感する横Gは、ナガシマスパーランドの代名詞、ハイブリッドコースター「白鯨」に勝るとも劣らない。なにせ、左カーブのたび、窓際の私には、同じシートに座る現地人の、大人2人と小人1人、すなわち3人分の体重がのしかかるのだ。

しかも、襲ってくるのは横Gだけではない、「横転」の恐怖である。スクールバスの重心は、高い。しかもこのバスは乗車率200%オーバーである。

このため、カーブ時には、バスの片輪に相当な重量がかかる。一方で、もう片側のタイヤからは、加重が抜ける。抜けるどころか、浮く。カーブの度に不快な浮遊感が車内に漂うのだ。

横転事故は日常茶飯事!?

ご存知のとおり、世界広しとはいえ、こんな高速での片輪走行を許されているのは「ルパン三世」だけである。決してスクールバスで真似をしてはいけない。

しかも、このとき、先ほどまで静かだった隣の母娘は、「先月だけで、2台のチキンバスが横転したのよ」と、今現在の私にとって、最も不要な情報を提供してきた。なぜ、このタイミングなのだろう?

アジアからの訪問者が物珍しいのは分かる。外国人と交流したいという気持ちは、私も同じだ。だが、「横転」の情報は不要だ。先週のバンクや脱輪の情報も然りだ。車体焼失なんてもってのほかである

共通の話題がないというのは、かくも恐ろしい。お互いの一番の関心事が「事故死」のため、不幸な終焉について語り合うしか選択肢がないのだ。

ただ、彼女が話を盛っている可能性はある。5歳程度の娘については、怯えた様子がなく、最初からニコニコしたままなのだ。

だが、事故案件の真偽を確かめることはできない。なにしろこっちは「イクラちゃん」である。ろくに言語も解せず、横転の恐怖におびえるイクラちゃんだ。「チャーン!」もしくは「アハーン!」なのである。

チキンバスに乗るなら酔い止めは必要

幸いなことに、私の乗ったチキンバスは、無事に目的地へと到着した。降車したのは、私独り。残されたのは恐怖の記憶と、ポケットの中の、無残な折り鶴の残骸だ。最初の急ブレーキで握り潰したものである。

あとは、ここからは見えないが、近くの草むらには、真新しい吐しゃ物も残っているだろう。あの横Gの連続に、私の三半規管は耐えられなかったのだ。今後は「絶叫好き」と自称するのを、控えることにしたい。

さて、本記事の目的はなんだっただろうか。チキンバスの紹介、もしくは利用者への注意喚起だったろうか。いや、総括すれば、「酔い止めは、大事だ」という話だろう。

「チキンバス」はバスプールで愛でるに限る

チキンバスのバスプール
画像提供:bon

ちなみに、個人的にはチキンバスは乗車するより、観賞する方が好きだ。外観を愛でるだけなら、持参した色紙を握り潰すこともなければ、嘔吐する心配もない。それに何より、チキンバスはカッコイイ。

そんな観光客にとっては好都合なことに、アンティグアの西端にはチキンバスのパスプールがある。ここには多種多様なカラーリングを施した車体が集まるのだ。

私のお気に入りの撮影ポイントの一つだ。平和的にチキンバスを愛でたい方には、このパスプールをお勧めしたい

もちろん、ここで片輪走行している車体は皆無である。安心して頂きたい。

■寄稿者:bon
外資系研究員。10年以上公務員を勤めたある日、「何となく」で退職する。以後、起業、廃業、青年海外協力隊を経て、今に至る。
なお、外資系正社員にも関わらず、英語が話せないという希少人材でもある。副業ライター。累積の読書冊数1,000冊以上。
▶雑記ブログ: 「多読BON」 
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