![トロリーバスでローマの穴場観光](https://www.bus-trip.jp/magazine/wp-content/uploads/2017/05/trolleybus_roma01.jpg)
トロリーバスで「ローマの穴場」を楽しむ
こんにちは。ローマ在住のH です。
最近ローマでもめっきり春らしくなり、絶好のお散歩日和が到来しました。
前回ご紹介しましたローマで唯一のトロリーバスに揺られて、 (ローマの道路は凹凸が多いので、文字通り「揺られて」みなさん乗ってます。) ローマっ子たちが目にするローマの名所を車窓から楽しんだり、 ふらりと下車して観光客があまり行かないスポットへ 足をのばしてみるのもよいと思います。
トロリーバス(路線バス90 番)の始発のバス停は ローマの中心部のテルミ二駅前にある広いバスターミナルです。
![](https://www.bus-trip.jp/magazine/wp-content/uploads/2023/06/trolleybus_roma02.jpg)
トロリーバスはC列のバス停から発車します。
![トロリーバスでローマの穴場観光](https://www.bus-trip.jp/magazine/wp-content/uploads/2017/05/trolleybus_roma01.jpg)
トロリーバスのチケット、購入方法は?
チケットの購入は駅付近、または駅構内のキオスクや以下のような乗車券の自販機などで
購入可能です。
![乗車券専用発券機](https://www.bus-trip.jp/magazine/wp-content/uploads/2023/06/ticketmachine.jpg)
ローマの路線バスの通常の乗車券は一律1ユーロ50セントの100分有効のチケット(通称BITチケット)です。バスの中の刻印機で刻印してから100分間はバスが乗り放題です。
![BITチケット](/magazine/wp-content/uploads/2017/05/img31-e1493600520123.jpg)
刻印後、指定の時間内乗り放題のチケットもあります。
24時間(7ユーロ)、48時間(12ユーロ50セント)、72時間(18ユーロ)。
![指定時間内乗り放題チケット](/magazine/wp-content/uploads/2017/05/img34-e1493600576397.jpg)
もっと長期のものをお探しでしたら、刻印後、7日間(一週間)乗り放題のチケット(24ユーロ)もあります。
![一週間チケット](/magazine/wp-content/uploads/2017/05/img35-e1493600620692.jpg)
さあ!いよいよトロリーバスに乗り込みましょう
![バス車内にある刻印機](/magazine/wp-content/uploads/2017/05/img37-e1493600673604.jpg)
通常、バス内の前方と後方の2か所に一台ずつ設置されています。乗ったらすぐに、チケットの刻印が必要です。
チケット上に表示されている矢印が下に来るように、手前に表側を向けて一番上のチケット挿入口に入れます。
この際、チケットに日付や時刻が裏面にきちんと表示されているか確認してください。
機械によってはうまく表示されなかったり無刻印だったりするので、そのまま気づかなければチケットをチェックするために巡回している職員に罰金を科されたりする可能性があります。
刻印されない場合は自らペンなどで日付を裏面に手書きする必要があります。(時刻・日・月・年の順番で記入ください。)
乗り降りする際の、チケットの有無のチェックはないのですが、たまにチケットをチェックするために巡回している職員が乗ってきて、提示を求められることがあります。
降りる時は、降りるバス停に到着する前に、バス内のバス停停止ボタンを押します。ボタンの一例は下の写真の右手に見えます赤いボタンです。
ボタンを押すと、天井上か出入口上方にあるオレンジ色の表示ランプが点灯します。次のバス停を告げる車内アナウンスは残念ながらありませんので、どこで降りるか分からない場合は周りの乗客に聞く必要があります。イタリア人の方々はたいてい、おせっかいなほど親切なので尋ねれば教えてくれます。
![降りるバス停がわからないときは訪ねてみよう](/magazine/wp-content/uploads/2017/05/img45-e1493600950751.jpg)
90番はローマ北部の郊外が終点の路線バスで、 「エクスプレス」と呼ばれる、各バス停間の間隔が長い「急行」バスです。
始発のテルミ二駅周辺には、ガイドブックに必ず載っている観光名所が 所狭しと並んでいますが、ローマの中心部をぐるりととり囲む、ローマ時代に建設された「アウレリアヌス城壁」を通り抜けて、中心部を出ると、今昔の人々が往来した「ノメンターナ街道」に沿って3㎞ほど行く行程に知る人ぞ知る穴場スポットや 美しい建築物を目にすることができます。
さっそく、90番に乗って、出発しましょう。
ノメンターナ街道へと続くアウレリアヌス城壁の「ピア門」へ
90番に乗り2番目のバス停をすぎてしばらく行くと アウレリアヌス城壁を目にすることができます。 城壁には車や人が通る門(出入口)があり、 ノメンターナ街道へと続く門は「ピア門」と呼ばれています。
![アウレリアヌス城壁のピア門](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img28-e1493355571743.jpg)
ピア門の右手前には在イタリア英国大使館があります。 イギリス人建築家の手によるモダンな建物が広大な土地にたたずんでいます。
![在イタリア英国大使館](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img30-e1493355633722.jpg)
そのすぐ後にピア門の内側部分のファサードが見えます。
![ピア門の内側のファサード](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img31-e1493355674172.jpg)
このピア門は外側以外はミケランジェロが設計しました。
![外側から見たピア門](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img33-e1493355713844.jpg)
ピア門を横から見ると2200年以上前に建立された アウレリアヌス城壁の断面が見えて面白いです。
![ピア門を横から見たところ](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img34-e1493355761991.jpg)
ピア門を通り抜けると 目先にはノメンターナ街道が続きます。
![ピア門を抜けてすぐの広場](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img36-e1493355817124.jpg)
この広場の右手には イタリアの運輸省の立派な18世紀の建物(ヴィッラ・パトリッツィ)があります。
![イタリア運輸省の建物(ヴィッラ・パトリッツィ)](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img37-e1493355856414.jpg)
この建物の前に始発から数えて3番目のバス停(Porta Pia)があります。
美しい意匠の建物やムッソリーニの元私邸まで
4番目のバス停(Nomentana/Regina Margherita)付近のノメンターナ街道と レジーナ・マルゲリータ通りとの交差点にある重厚な建物。 ギリシャ神話の神のアトラースのモチーフが特徴です。
![アトラース神のモチーフをとり入れた建物](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img44-e1493355998177.jpg)
![建物ファザードの意匠](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img45-e1493356034725.jpg)
ルネッサンス期によく用いられた装飾のある建物。 フェラーラのダイヤモンド宮殿のような石積みの装飾。
![フェラーラのダイヤモンド宮殿のような石積みの装飾](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img46-e1493356104671.jpg)
さらに進むとヴィッラ・トルローニアという公園があります。
![ヴィッラ・トルローニアの出入口](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img48-e1493356133997.jpg)
1920年代から1940年代にかけてイタリアのファシスト党の党首の ムッソリーニが住んでいました。
![園内にあるムッソリーニの元私邸](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img49-e1493356207718.jpg)
この地下にはムッソリーニが密かに作らせた 地下防空壕があるそうです。
迷宮のような教会から中世の石橋まで
続いて、5番目のバス停(Nomentana/XXI Aprile)を越えると、 左手に聖アニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ教会の裏側の建物が見えます。
![聖アニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ教会の裏側](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img51-e1493356308352.jpg)
![教会の正面](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img52-e1493356340383.jpg)
教会に向かって左にカタコンベへの入口があります。 中は迷宮のように入り組んでおり、ガイドなしでは出られないほどなんだそうです。
そこからさらに進むと、90番のノメンターナ街道での最後の、9番目のバス停(Nomentana/Val D’ossola)を越えると右手に中世時代の橋・ノメンターノ橋が見えます。
(ノメンターナ街道は全長34kmで、ローマ市外へ出ます。90番は途中でノメンターナ街道からそれます)
![ノメンターノ橋](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img54-e1493356385644.jpg)
90番で現在使われている橋(タツィオ橋)を渡る時、 右手にノメンターノ橋の側面が見えます。
![ノメンターノ橋・側面](/magazine/wp-content/uploads/2017/04/img55-e1493356429509.jpg)
これら以外にももっと見どころはあるのですが、 今回はざっとダイジェスト的にご紹介しました。
毎日、通勤通学で90番の路線バスを使っている乗客の方々は 目の保養が思う存分できる車窓からの素晴らしい眺めを堪能できて贅沢だなあ と思いますが、慣れとは恐ろしいもので、見飽きてしまっているのか、 目を輝かせて乗ってる人はなかなかいないようです。
ローマにお越しの際はぜひ90番の路線バスのトロリーバスに乗って 様々な時代の美しい建築や歴史のロマンを満喫ください。
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