[出典:イギリスBBC]

中古のダブルデッカーバスを夢のマイホームに!

こんにちは。エディンバラのパイプです。

今回はちょっとした発想の転換で、快適な「マイホーム」を、低コストで手に入れた英国人一家のお話。しかもそのマイホームはダブルデッカーバス!

先日、イギリスの各新聞社「BBC」や「Mirror」、「The Sun」誌でも取り上げられ、話題になりました。

さて、どのようにしてイギリスのシンボル的存在であるダブルデッカーバスをマイホームへとリフォームしたのでしょうか。

バスファンだったら誰でも一度は「自分のバスが購入したい!」と思ったことがあるのでは?

イギリスのケンブリッジ州に住むHuntさん一家は、そんな夢を叶えてしまった人たち。しかも購入バスはダブルデッカー。その上、そのバスを自分たちの手でマイホームに改造してしまったのですから、スゴイです。

「バス購入前は家を借りていたんです」と、ご主人であるRickさん。ケンブリッジ州にある3ベットルームの一軒家に、月々£1400を支払って住んでいらっしゃいました。

ケンブリッジの街
イギリス東部の街、ケンブリッジ(写真はイメージです)

でもじつは奥さまが若いときにスカイダイビングで事故に遭ってから、車椅子の生活。借りていた家では奥様のためにリフォームもできず、大変苦労をされたとか。

二階に行くのも、キッチンで料理するのも、すべてが不便。とくにキッチンの作業台や棚の高さが奥さまの動ける範囲を越えていて、彼女の生活をとても不自由にしていたのだそうです。

そんな奥さまを不憫に思ったRickさん。何度も家の購入を考えたそうなのですが、周辺地域は住宅価格が高騰。3ベットルームの物件平均価格は£300,000ほどで、なかなかマイホーム購入の夢に手が届かずだったのだそうです。

じつは英国、現在、住宅の価格が上がっているんです。2017年1月のデータでは、前年比で6.5パーセント上がり、とくにロンドン周辺では7.3パーセントも上昇。全国平均価格は£234,794、(約¥33,712,000【£143 6/28現在】)、ロンドン周辺では£490,718(約¥70,577,000)と、とにかく高い。

そこで旦那さまのリックさん。リーズナブルな値段で手に入るダブルデッカーバス購入を決断。

自分たちの手で、しかも借金なしでバスをマイホームにリフォームをすることにしたわけです。

そして車椅子生活の奥様が自由に動けて、無理のない生活ができる設計に!を目標に掲げて改造を始めました。

さて、ではどのようにしてバス車内を住居へとリフォームしたかというと、もともと「発明家」という肩書きの旦那さま。ゼロからものを作り出すのは、お手の物。バス内のすべての椅子を取り払うことから始め、住居に必要なものを、ひとつずつ手づくりしていきます。

たとえば、まず最初に取りかかった、足の不自由な奥さまが、椅子に乗りながらバス内を自由に動けるシステム。

[出典:イギリス「BBC」]
[Copyright © 2017 BBC.]

レールをバスの1階部分に敷き、そこに高さが自由に上下する仕組みを取り入れた椅子を走らせることで、奥さまが立ったり座ったりせずに動き回れる仕組みを作り出しました。

また、なんと、2階に行くために、エレベーターまで設置!奥さまの生活に自由度が増すようにと、随所に至れり尽くせり設計を施したわけです。

そしてドライバー席。ここはどのように改造したかというと、運転席は残しつつ、大きなテーブルを取り付けて作業スペースと子どもたちの勉強スペースに。じつはこのバス、住居に改造しながらも、まだ走行可能なんです。なので、バスを運転することができれば、旅行に行きたい!なんてときは、バスの運転席に座り、ハンドルを握って移動すればいいわけなんです。バス好きには、究極の夢ですよね。

[出典:イギリス「BBC」]
[Copyright © 2017 BBC.]

また2階には、パーテーションで区切ったご夫婦のベットルームと子供たちの小さめの部屋、そしてダブルデッカーで1番眺めのいい2階席先頭部分はリビングルームへとリフォーム。このリビングルームには走行する際に必要な、法律に準じた椅子が取り付けてあるそうです。

そしてバス車内の居住空間で使用する電気は、ソーラーパネルで自家発電!と、本当にすべてがハンドメイドな居住空間です。

購入してから6ヶ月。キッチン、バス、ベットルーム、しかもバリアフリーな環境をすべて手づくりして、ダブルデッカーバスに取り入れてしまったRickさん。最終的にバス購入に£16,000、リフォームには£20,000を支払ったそう。

「安いとは言えませんが、でも誰にでもできることだと思います」とRickさんは語り、ダブルデッカーでの新しい生活に意気揚々としているようでした。でも、日本では「定住せずにバスに住むなんて、抵抗があるのでは?」と思う方も少なくないはず。

じつは英国には、モーターホームなるものがあります。これはキャンピングカーなどに居住をすること。つまり四輪の上に住む方々が、いらっしゃるのです。なので、バスに住むことにも、あまり抵抗がないのかもしれません。

モーターホームで街中で暮らす人も多いイギリス
モーターホームで暮らす人は少なくない英国(写真はイメージです)

実際、「モーターホーム」市場は拡大していて、2016年の車両登録台数は12,332台。2015年の10,572台に比べると、その数は16.6パーセントとも伸びている!そして、街にはキャンピングカーを駐車して、暮らすことのできるキャンピングカー・モーターホーム用パーキングもあるんです。

なので「バスを購入して、住処にしたい!」という方。ぜひ英国で中古バスを買い、各地を回りながら「モバイル生活」をしてみてはいかがでしょう。日本でも、将来、新しい形のライフスタイルとしてブームになるかもしれないですね。

【記事参照元: BBC.

タグ
関連記事
ランキング
貸切バスの達人は
全国1,100社以上の
貸切バス会社をネットワーク
参加バス会社のロゴ一覧
貸切バス料金を安く抑えるなら
バス会社の比較がポイント!

全国1,100社以上のバス会社参加
お得にバスを借りるなら一括見積

まとめて比較!貸切バス料金お取りよせ