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「ロンドンの顔」新型ルートマスターバス、すでに終焉!?

導入されたばかりなのに、もうなくなっちゃう?

こんにちは。エディンバラのなこです。

2012年に華々しく登場した新型ルートマスターバスが、早くもその姿を消すかも知れない!というニュースが英国で流れました。

ロンドン市長選挙公約のひとつとして導入されたこのバス、開発段階から「経費がかかる」と、市民からは不満の声が上がっていました。

そこで今回は、この新型ルートバスのいろいろについて、探ってみました。

ピカデリーサーカスを走るルートマスターバス

ピカデリーサーカスを走るルートマスターバス

オリジナルルートマスターバスの歴史について

「ロンドンの顔」として、市民から愛され続けてきたルートマスターバス。その歴史は長く、1950年代にさかのぼります。

その当時、ロンドンの街で走行していたトロリーバスに代わるバスを!ということで開発されたのが、このバスのはじまり。

第二次世界大戦中にハリファックス爆撃機の製造に参加したロンドン交通局が、そこで取得した新しい技術と軽量のアルミをバス開発に導入。従来の56席という座席数を64席へ、車幅は2.28メートルから2.43メートルに拡大することにも成功したことで、軽くてしかもより多くの乗客を運ぶことのできるルートマスターバスが誕生したのです。

本格的な生産が始まる前には、4台の試作車が作られました。RM1とRM2にはアソシエイティッド・エクイップメント社(Associated Equipment Company)のエンジンとパーク・ロイヤル社(Park Royal)のボディを使用。続いてRM3とRMC(4台目の試作車)にはレイランド社(Layland)のエンジンが使用されたそうです。

ルートマスターはデザインにもこだわりました。当時のロンドン交通局・メカニカル・エンジニア部門チーフであったBill Durrant指揮のもと、工業デザイナーであったDouglass Scott氏が外部の優秀な人材を起用してデザイン。フロントエンドのデザインをはじめ、ボディスタイリング、そしてタータン柄の座席シートなど、すべてのデザインが彼らの手によってアイコニック的ものとして生み出されたのです。

これらの試作車にさまざまなテストと改良が施され、ロンドンの街にルートマスターが初お目見えしたのが1956年。またたく間に、ロンドンの愛すべき存在になり、観光の目玉にもなりました。そして1980年代には英国各地でもルートマスターが導入されるまでになり、1968年までに2,760台のルートマスターが製造されたそうです。

ルートマスター導入時の姿

後方にある凹み部分は乗降口。ここから「hop-on hop-off」していたのです

このようにロンドンの街を、市民の声援を受けながら走っていたルートマスターですが、なんといっても後方にある解放式乗降口が特徴的でした。

ドアがないために乗客は乗降口からバスに飛び乗ったり、目的地で飛び降りたりできたわけです。忙しいロンドンの街にはピッタリな乗り降りの仕方だったのでしょうね。

またその乗降口にはいつも車掌さんが乗っていました。「ハロー」と挨拶を交わしながら、乗客はこの車掌さんに運賃を支払っていたわけですね。

ロンドンのシンボル、真っ赤なルートバス

赤いルートマスター。まさにロンドンのシンボルです

こんな風に「ロンドンの顔」的な存在になったルートマスターバスでしたが、運転手と車掌の2人に人件費がかかること、またメンテナンスにも多額な費用が掛かることから、ロンドン交通局にとっては悩みのタネになっていたとか。

そしてその後、ロンドンバスの民営化による運営の合理化、また障害者に対するEUの規定が導入されたことで、車椅子のスペース確保などに対応できないルートマスターバスはとうとう姿を消してしまいます。

2003年から段階的に廃止され、2005年の12月に通常のバス路線を走ることはなくなってしまいました。

新型ルートマスターバス

華々しく登場した新型ルートマスターバス

市民の期待を乗せてルートマスターが復活!

しかしロンドン市民からはルートマスターの復活を望む声が多く、「ヘリテージ・ルートマスター・サービス」として2路線でのみ運行が続行、現在は15番ルートのみ運行。

そして2008年に行われたロンドン市長選挙でボリス・ジョンソン候補(何かとお騒がせな?!)が新型ルートマスターバスの導入を公約に掲げて当選。

2012年にはその新型ルートマスターバス(正式名称はNew Bus for London)が、ロンドンのビクトリア駅からハックニーを結ぶ38番路線に登場したのです。

前ロンドン市長のボリス・ジョンソン

前ロンドン市長のボリス・ジョンソン

この新型ルートマスターのデザインは新進気鋭の英国人デザイナー、ヘザーウィック(Heatherwick)氏が率いるヘザーウィック・スタジオ(Heatherwick Studio)が担当。オリジナルモデルのようなゴツイ車体とは違い、丸み帯びた近未来的なデザインに仕上げられました。

生産はワイトバス(Wrightbus)。自社で製造したスティール製のバックボーンシャシーにアルミ製のボディが載っているそうです。

エンジンは電気とディーゼル双方のメリットを駆使したハイブリッドエンジンを使用。駆動力はモーターのみで、ディーゼル発電機によって充電されているとのこと。

環境に優しく、しかもスムーズな乗り心地を目指した「21世紀型、環境に優しいECOバス」のイメージを掲げ、市民の期待を一身に背負ったバスとなったわけです。

サイド下から上に向かう窓が特徴です。丸いフォルムは近未来的

サイド下から上に向かう窓が特徴です。丸いフォルムは近未来的

問題多発なバス人生となりました

そんなロンドン市民の期待とは裏腹に、ロンドンの街を走り出す前から「新型は設計や製造にかかる費用が高い」という批判的な声もありました。

BBCによると、なんと約800万ポンドの税金が開発に使われ、また1台あたりの購入価格は35万ポンドほどだったとか。通常のバスよりも約5万ポンド高めだそうです。税金が使われるのですから、不満の声が上がるのも無理ありません。

ルートマスターバス復活を選挙公約に掲げたボリス・ジョンソンの名前を使って「ボリス・バス」などと、皮肉なニックネームをつけられたこともありました。

問題は費用のことだけに止まりません。ECOバス色を前面に押し出したバスであったにも関わらず、じつはバッテリーの不具合からハイブリッドエンジンがうまく作動せず、バス走行速度はかなり減速。そのため多くのバスがディーゼルエンジンに頼って走っていたそうなのです。

加えて夏場になると2階はサウナ状態。冷房器具が搭載されているのに、温度は30度以上!しかも窓はもちろん開きません。夏でも涼しい英国とはいえ、これでは観光客だってバス観光を満喫できないですよね。

そして、ルートマスターバスらしさを残した、後方部の開閉可能なドアがついた乗降口。使用頻度が少ないことや安全上の理由から、いつもそのドアは閉じられたままとなり、結局、使用されないことになりました。

しかもその乗降口付近に立つ車掌さんは役割がなくなったという理由で、約300名が解雇に!

とまあ、とにかく問題が多く発生し続けたため、現ロンドン市長がとうとう新型ルートマスターの購入は凍結する、というコメントを発表したのです。

2階部分の窓はサイズが小さめなことも問題に。車内はかなり暗かったようです

2階部分の窓はサイズが小さめなことも問題に。車内はかなり暗かったようです

ロンドンバスと新型ルートマスターバスの未来は?!

ロンドン交通局によると、2019年度までにロンドンを走る3,100台ほどのダブルデッカーバスすべてをEuro VI hybridモデルに、そして中心部に配置されている300台のシングルデッキバスは2020年までにゼロ・エミッションバスにする予定だそう。

超低排出ゾーン導入計画が着々と進んでいるロンドン。ディーゼルエンジンに頼ることの多い新型ルートマスターバスには、やはり明るい未来は待っていないようです。

その姿がロンドンの街から消えてしまう日が、近い将来訪れるのかもしれません。

でも「ロンドンといえばルートマスターバス!」なるイメージは、今後どう変化していくのでしょうか。ロンドンバス事情、これからも気になるところです。

■写真提供・取材協力
ロンドン交通局
https://tfl.gov.uk/

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