貸切バスの運転手さんへ心づけ(寸志)は必要?
心づけ(寸志)とは、日本古来からの習慣でお世話になった方へ感謝の気持ちをこめてお渡しする少額の金銭(チップ)のことを指します。
昔から結婚式会場のスタッフや着付け係の方へお渡ししたり、お葬式でも火葬技師や霊柩車の運転手、送迎バスの運転手に心づけを渡す習慣がありました。
そんな背景があるせいか、時々お客さまからの問い合わせでいただくのがこんな質問。
「バスの運転手さんへの心づけは必要ですか?」
確かに1日お世話になる運転手さんへは感謝の気持ちを伝えるのが、大人のマナーかもしれません。
心付け以外にも、貸切バスを使った団体旅行をはじめて計画する幹事さんにとって、
「運転手さんやバスガイドさんのお昼を用意したほうがいいか?」
「運転手さんの宿泊場所はどうする?」
など、運転手さんにどこまで気を配ったらいいかは気になるところです。
そこで貸切バスを使った旅行やイベントを主催した際の運転手さんに対しての心づけや必要な費用についてまとめました。
1. 運転手さんへの心づけは基本的にはいらない?
2. 運転手さんへお昼の用意は必要?
3. 運転手の宿泊手配と宿泊代負担は必要!
4. 駐車場代や高速料金の支払いもお忘れなく!
5. バスの運転手さんへの心付け対応まとめ
運転手さんへの心づけは基本的にはいらない?
まずは「バスの運転手さんへの心づけは必要?」という問題ですが、基本的に心付けは「不要」という認識で良いかと思います。
お世話になった方への気遣いや配慮を忘れない習慣は日本人の美徳の一つだとは思います。でも、心づけは強要できるものではなく、感謝の気持ちをあらわすための「手段」ですよね?
「絶対必要です!」
「用意してください!」
なんていうバス会社も旅行会社もいません。
運転手代もバスのレンタル料金に含まれていますので、心付けの要求はまちがいなくありませんし、そこは乗客の自由です。ただ、運転手さんへの感謝の気持ちは言葉で表すようにしましょう。
バスに乗る前に一言「よろしくお願いします!」、そして降りるときに「ありがとうございました」など、挨拶やお声がけでも気持ちをお伝えすれば双方が気持ちよくバス旅を楽しめるはず。
どうしても運転手さんにお礼をしたい…心付けの相場は?
ただし、炎天下の中運転を頑張ってくれたり、長時間の運転でも丁寧な対応をしてくれた運転手さんには何かお礼をしたくなるもの。
感謝の気持ちとして、どうしても心づけを渡したい、という場合の相場はいくらくらいでしょうか?
ちょこっとリサーチしてみました。
- 温泉旅館の仲居さんへ:3,000~5,000円
- 冠婚葬祭の業者へ:3,000~5,000円
- 引越しのドライバーへ:1,000円/人
シーンによりけりですが、数千円が多いようですね。金額が多すぎるともらった側が恐縮してしまうので、3,000円程度が無難って感じでしょうか。
お茶をさしあげたり、お菓子をみんなで食べているときにお渡しする程度なら、運転手さんも気兼ねしないのでオススメです。
運転手さんへお昼の用意は必要?
貸切バスの達人でバスを予約する場合、心づけと同じく、旅行中などの運転手さんのお昼を用意する必要はありません。
例えば一般的な会社員は勤務しているときのお昼代は自己負担になりますよね。バスの運行中は勤務中と同じことになりますので、それと同じことだと考えていただければよいかと思います。
貸切バスはあらかじめスケジュールが決まっているので、それに合わせて運転手さんもお昼を用意するなり、どこかで食べることをあらかじめ計画しています。
幹事さんは参加者のお昼のことだけを考えていればOKだと思ってください。
運転手の宿泊手配と宿泊代負担は必要!
運転手さんへの心づけやお昼代と違って負担しなくてはならないのが、1泊2日などの旅行で宿泊する場合の運転手さんの宿泊代(手配も)や夕食・朝食代。
運転手の宿泊費や朝食夕食代は乗客の負担となります。
「どうしてお昼代を出してあげる必要はないのに、宿泊代や滞在中の食事代は負担しなければいけないの?」
と、疑問を感じる方は、先ほどの会社員がお昼に行く際のお昼代に対して、会社員が出張に行く際の出張経費を思いおこしてください。
出張に行くときに宿泊代や食事代は基本的に依頼先や会社が負担してくれますよね~。
それと同じことで貸切バスの運転手さんは依頼主の都合で宿泊してもらうことになるので、経費の負担は乗客、ということになるのです。
運転手の宿はどんなところを手配する?
運転手さんの宿泊先についてはケースバイケースですが、参加者と一緒ということが多いようです。
ただし団体旅行の宿泊先として高級温泉旅館など高額の宿を予約している場合もあるでしょう。
運転手さんの宿泊費だけでも参加者たちの負担になってしまうので、運転手さんには近くのビジネスホテルなど手頃な価格の宿泊先を用意しておけば大丈夫です。
宿泊先さえ確保していれば問題はありませんので、運転手さんに余計な気を遣う必要はありません。
運転手さんの宿泊代としては、宿泊先エリアのホテルの相場にもよりますが1万~1万5千円前後(1泊2食付)くらいが多いようです。
また、用意した宿泊先が素泊まりの場合は、夕食・朝食代として2,500~3,000円くらいお渡しするのが相場です。
このように1泊以上の団体旅行をお考えの方は、自分たちが宿泊する施設が決まったら運転手さんの宿泊先についても調べて予約することが必要です。
参加者の泊まる宿の近くに運転手さんの宿が手配できた問題がないのですが、運転手さんの宿が離れてしまう場合もありますね。
その場合は、自分たちのホテルから運転手の宿泊するホテルまで移動する際のタクシー代などの交通費も乗客側が負担することになっています。
運転手さんが泊まる宿までの距離や交通費までも頭に入れた上で、宿泊先を決めたほうがよさそうですね!
運転手さんのホテル予約については、こちらで詳しく解説してます。
バスの駐車場、運転手のホテル予約は必要?
駐車場代や高速料金の支払いもお忘れなく!
貸切バスを利用した際には、運転手さんの宿泊費用以外にも当日かかる費用があります。
滞在先の駐車場代、高速料金も乗客側の負担になる>こともお忘れなく!
あらかじめ駐車場や高速料金を調べておいて運転手さんにお渡しできる準備を整えておくとよいですよ。
高速代がわからない場合は、予約をした旅行会社やバス会社さんに聞けば事前に教えてくれます。自分たちで計算する方法もあるので、以下の記事を参考になさってください。
また、諸々の経費を運転手さんのお渡しするタイミングですが、大きく分けて2通り。
1つは、宿泊費や滞在中の食事代・宿泊先までのタクシー代を、運転手さんが宿泊先に向かう前に金額を少し多めに渡しして、後から清算。
もう1つは、タクシー代など事前に料金がわからないものは運転手さんに立て替えてもらっておいて、駐車場代や高速料金と一緒にバス降車時に清算するという形。
運行前に1度運転手さんと相談しておきましょう。
バスのレンタルにかかる費用についてはこちらで詳しく解説中!
貸切バスの料金目安、バス代に含まれる費用・含まれない費用
バスの運転手さんへの心付け対応まとめ
貸切バスの運転手さんに対しての心づけや経費のことについてについてお話してきました。貸切バスの達人でバスを予約した場合は、こんな↓対応になります。
- 心付けは基本的に不要
- お昼の用意も不要
- 運転手の宿泊手配、宿泊代は乗客が負担
貸切バスを借りるのがはじめてという方には、「運転手さんの宿泊代や食事代までは予算に入れてなかった!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらでご紹介した基本的なルールさえ頭に入っていれば大丈夫。運転手さんと上手にコミュニケーションをとって楽しい旅にしてくださいね。
ちなみに、結婚式送迎で貸切バスを利用する場合、新郎新婦から運転手さんに心付けを渡すのはタイミング的に難しいかと思います。
この場合は、心付けを渡すのは両親に頼んでおきましょう。
結婚式にまつわる心付けや、渡し方のマナーはこちらで詳しく解説しています!
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