日野自動車のマイクロバス「リエッセⅢ」

小型マイクロバスってどんなバス?「日野自動車・リエッセⅡ」編

実は日野自動車でラインナップする小型マイクロバス「リエッセⅡ」は、トヨタ自動車からOEM供給されているもの。かつては、日野自動車からトヨタへは「コースターR(2004年8月には発売を終了)」としてOEM供給していた経緯があります。

日野自動車はトヨタグループの一員。「HINO」プランドのもと、トヨタグループのトラック・バス部門を担っています。

2015年からトヨタ・日野合同で実験を行ってきた水素を燃料として自ら発電して走る「FCバス」。東京モーターショウ2015の日野自動車ブースで紹介されていました。

水素燃料で走るバス
(写真は東京モーターショウ2015より)

このFCバス、2017年からトヨタブランドで販売することが決定。東京都交通局が運行する路線バスとして使用されるというニュースが話題になっていましたね!

排ガスゼロを目指して、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに100台以上のトヨタFCバスが東京都を中心に導入される予定だといいます。

水素電池で走るFCバス
FCバスの外観(写真提供: トヨタ自動車株式会社)

また、日野自動車では、いすゞ自動車との共同で出資で設立した「ジェイ・バス株式会社」で大型バス・中型バスの観光バス、路線バスを製造し、協力関係にあります。

「リエッセ」という名前の由来は高級乗用車を意味する「リムジンLimousin(英語)」と、伯爵夫人を意味する「コンテッセComtesse(仏語)を掛け合わせた造語。

そういえば以前、八王子にある博物館「日野オートプラザ」にお邪魔した際に、「コンテッサ」という名前の乗用車が展示されていました!

「コンテッサ(=伯爵夫人)の名を継ぐのが日野自動車「リエッセⅡ」というわけなんですね~。

さて「リエッセ」はもともとはジェイ・バスが製造し、日野自動車へ供給されていました(いすゞ自動車へは「ジャーニーJ」としてOEM供給)。その後、2004年8月に平成15年排出ガス規制に適合したモデルへチェンジし、日野自動車・いすゞ自動車の統合モデルになり、ジェイ・バスから供給する形に変更されました。

小型マイクロバスでは唯一のRR(後輪駆動)方式車!

「リエッセ」は、リアエンジン・リアドライブ方式を採用。マイクロバス室内の空間が広く取れることから、大勢を一度に輸送したいコミュニティバスに人気のタイプになっています。

車のフロント部分は操舵装置のみ(エンジンやトランスミッションなどは車体後部へ配置できる)なので、ハンドル操作が軽く、小回りができるのがメリット。

またマイクロバスでは珍しい「空気油圧複合式ブレーキ」を採用。大型トラックや中型トラックによく採用されている方式で、ブレーキペダルを踏み込むときは、軽く踏み込むだけで、強力な制動力が得られる空気圧を利用し、ブレーキの作動は、応答性にすぐれた油圧を使用します。

リエッセをベースに路線バス向けに登場したのが「ポンチョ」。

hino_poncho
(写真提供: 日野自動車株式会社)

コンパクトなバスがフットワーク軽く町中で走っているのをよく見かけるのでは?

小型バス(路線バス)をまだ製造しているのは日野自動車だけ。道幅の狭い都内などを結ぶコミュニティバスとして大活躍してますね!

1995年の平成6年排出ガス規制に適合する際、「レインボーRB系」がフルモデルチェンジし、「リエッセRXシリーズ」に。1996年6月より、トヨタのコースターを「リエッセⅡ」として日野自動車へOEM供給開始。反対にリエッセを「コースターR」としてOEM供給していました。

その後「リエッセⅡ」は、1999年6月には平成10年排出ガス規制をクリア。2001年7月には平成12年騒音規制にも適合。

改良を重ね続けて2004年8月には国土交通省「超低PM排出ディーゼル車」85%低減レベルの認定を受けました。

「コースターR」は2004年8月で発売終了。「リエッセ」といすゞ自動車へ「ジャーニーJ」として供給していたものは、2011年8月に生産終了になりました。

尿素フリーの「新DPR」を採用、平成22年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合!

燃費がよくタフな走り、さらに静かというテーマに取り組んできた「リエッセⅡ」。2011年8月には、進化したクリーンディーゼルシステム「AIR LOOP(エアループ)」採用により、平成22年(ポスト新長期)排出規制に適合しています。

AIR LOOPのイメージ図
(画像提供: 日野自動車株式会社)

「AIR LOOP」とは、クリーンエンジンと新DPRークリーナーを組み合わせ、PM(煤などの粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)を低減するとともに、省燃費によるCO2排出量を同時に低減する画期的な日野のシステムです。

通常、NOxを除去する際に、尿素水を使用し、無害な窒素・水に分解するのですが、新DPRは尿素水を使用しないため、タンクやSCR触媒なども不要。その画期的な開発が認められ、第11回新機械振興賞「経済産業大臣賞」を2014年に受賞しています。

さらに2015年1月からは、平成27年燃費基準を達成したエンジン110kW(150PS)を搭載。座席にはELR付き3点式シートベルトを、補助席にはELR付き2点シートベルトを標準装備し、シートの形状を改良することで安全性がUP。リクライニング機能を標準化し、快適性もバッチリです。

全座席にELR付き3点式シートベルトを標準装備
(写真提供: 日野自動車株式会社)
補助席は2点式シートベルトを標準装備
(写真提供: 日野自動車株式会社)

また、幼児専用車のシートは、万が一の事故の際、頭を守るため、シートバックの高さをあげて厚くし、前パイプ部などに保護パッドを装着。「幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン」に対応した仕様になっています。

110KW(150PS)エンジンでマニュアルトランスミッション車はエコカー減税対象車(自動車取得税が60%、自動車重量税が50%の減税が受けられる)です。

多彩な「リエッセⅡ」ラインナップ

車体の長さは運転席・補助席を含めて26人乗りのショートボディ、29人乗り/25人乗りのロングボディの2タイプ。

リエッセⅡLX
(写真提供: 日野自動車株式会社)
リエッセⅡLXの内装
(写真提供: 日野自動車株式会社)

LXの一クラス上の装備を備えたGX(ハイルーフでロングボディ29人乗り/25人乗り、ショートボディ26人乗り)。

リエッセⅡGX
(写真提供: 日野自動車株式会社)

エアサスペンション採用で、乗り心地の良さをさらに追及した最上級グレードのEXは、ロングボディのハイルーフで29人乗りです。

リエッセⅡEX
(写真提供: 日野自動車株式会社)

カラフルで楽しい演出が可愛い幼児専用車。

幼児専用車
(写真提供: 日野自動車株式会社)
幼児専用車のシート
(写真提供: 日野自動車株式会社)

保護プロテクター付きの座席。

シートバックに保護プロテクター
(写真提供: 日野自動車株式会社)

ロングボディは大人3人、幼児49人乗り、ショートボディは大人3人に幼児39人乗りの仕様です。

「リエッセⅡ」の魅力は、小型マイクロバスなのにトランクルームが広い!?

以前、マイクロバスにどのぐらい荷物が載るかの実験をした際、ほとんど乗らないよ!という話をしたかと思います。

ところがこの「リエッセⅡ」、GXとLXの25人乗りタイプには、後ろにラゲージスペースがついているんです!

リアスペースが広々!
(写真提供: 日野自動車株式会社)

リア扉が観音開きになっており、後部座席の後ろに奥行き830㎜、幅1,880㎜、高さ1,490㎜(開口部の高さは1,130㎜)あります。

最後尾のシートと扉の間にスペースがあります
(写真提供: 日野自動車株式会社)

実際にスーツケースを収納してみたところ、特大でも12個入るということがわかってます。これはうれしいですよねー。

スーツケース12個収納OK
(写真提供: シティアクセス)

このラゲージスペースが魅力で「リエッセⅡ」を選ぶバス会社さんも多いと聞きます。

この他、急ブレーキをかけたときタイヤがロックするのを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を搭載。

出入り口扉が開いているときはアクセル操作ができない「アクセルインターロック」や左折時にバイクなどを巻き込まないよう左方確認窓(グリーンガラス)を装備するなど、安全性能ももちろんバッチリです。

次に小型マイクロバスをチャーターするときは、どのバスメーカーさんのものでしょうか?
もし、広いトランクルームが付いているならそれは「リエッセⅡ」ですよ!

2017年1月23日より、フルモデルチェンジした新型「リエッセⅡ」が発売開始!

つい先日、トヨタ自動車より24年ぶりにフルモデルチェンジした新型「コースター」発表記者会見がありました。
それに伴い、日野自動車「リエッセⅡ」も一新!

日野自動車の新型「リエッセⅡ」
フルモデルチェンジした「リエッセⅡ」

小型の観光バスを意識した、快適で安全な小型マイクロバスに生まれ変わっています。
詳しくはトヨタ自動車「コースター」の記事をご覧ください。

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■取材協力
日野自動車株式会社

http://www.hino.co.jp/
●「リエッセⅡ」製品情報
http://www.hino.co.jp/liesse_2/index.html

トヨタ自動車株式会社
http://toyota.jp/

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