貸切バスは“出発地”で借りるのが鉄則!?「営業区域」のはなし
貸切バスを利用して楽しいバス旅行!あるいは、合宿や結婚式の送迎バスとして、便利に利用する人が増えてきました。
ところが、貸切バスを初めて借りるとなると「どこでお願いしたらいいかわからない」「借り方のルールがわからない」などなど。いろいろ不安なことがありますよね。
そこで今回は、貸切バスを借りるバス会社を選ぶ上で大切なルール。バスに乗車するエリア(都道府県)でバスを借りなければならない「営業区域」について詳しく解説していきましょう。
1. 貸切バスは出発地で借りるというルールがある!
2. 貸切バスの営業区域はどうやって決まるの?
3.こんなケースは貸切バスを借りることができない!高くつく!
4.貸切バスの「営業区域」についてまとめ
貸切バスは出発地(到着地)で借りるというルールがある!
例えば、町田市に住んでいる方で、送迎用に貸切バスを借りたいと思ったとします。町田市は東京都ですが、神奈川県に近い場所にあります。
この場合、「神奈川のバス会社から借りた方が安いでしょう!」と思うかもしれませんが、これはダメなんです。町田市はあくまでも東京都なので「東京都に営業所があるバス会社」から借りなければならないというルール、つまり「営業区域」というものがあるのです。
■道路運送法第20条(禁止行為)
一般旅客自動車運送事業者は、発地及び着地のいずれもがその営業区域外に存する旅客の運送(路線を定めて行うものを除く。)をしてはならない。■道路運送法施行規則第5条(営業区域)
法第5条第1項第3号の営業区域は、輸送の安全、旅客の利便等を勘案して、地方運輸局長が定める区域を単位とするものとする。■ 一般貸切旅客自動車運送事業の申請に対する処分の処理方針
1.(1)営業区域
原則、都府県単位(北海道は運輸支局の管轄区域単位、沖縄は島しょ海)とする。ただし、都府県(北海道は運輸支局の管轄地域をいう。以下同じ。)の境界に接する市町村(東京都特別区または政令指定都市に接する場合にあっては隣接する区をいう。以下同じ。)に営業所を設置する場合にあっては、山岳、河川、海峡等地形・地勢的要因による隔たりがなく、経済事情等に鑑み同一地域と認められる隣接都府県の隣接する市町村を含む区域を営業区域とすることができる。
つまり多少の例外はあるものの、貸切バスを借りる場合、バスに乗車するエリア(都道府県)もしくは、バスを降りるエリアのいずれかに営業所があるバス会社にしかお願いできませんよ、という法律です。
貸切バスの営業区域はどうやって決まるの?
貸切バス会社は、バス事業を始めるときに国土交通大臣の許可を得なければなりません。
バス会社の「事業所(本社)」や「バスの車庫」がある都道府県が「営業区域(バス会社がお客さまの乗せていい区域)」。営業区域を管轄している国土交通省の運輸支局(東京なら関東運輸支局)へ事業届を申請します。
例えば、本社は東京都にあるバス会社が、埼玉や神奈川にも車庫を持っており、関東運輸支局に届け出ている場合。この場合、神奈川の車庫で登録しているバスは、神奈川出発の送迎バスに対応できますが、東京本社に所属しているバスは利用できません(ちょっとややこしいですね・・・)。
もし「営業区域外」のバス会社にお願いすると、バス会社は法律を破ることになってしまいます。「ばれなきゃいいでしょ?」というように「無理強い」したりしてはいけませんよ。
こんなケースは貸切バスを借りることができない!高くつく!
「東京で挙げる結婚式に参列するため送迎バスを借りたい」
両親は栃木に住んでて、親せきは群馬に住んでる。栃木のバス会社が満車で借りられなかったので、群馬のバス会社にした。出発は栃木から群馬経由で東京にしたい。これはNGです。
群馬のバス会社からバスを借りたなら、群馬を出発して栃木まで両親を迎えに行き、そこから東京に向かうはOK(出発地は群馬になるため)。
ここでは、貸切バスを借りることができない事例について簡単に解説します。また、借りることはできても、バス料金が高くついてしまう例についてもご紹介します。
貸切バスを借りることができない例
- 栃木県足利市の自宅から東京の結婚式場までの送迎バス
群馬県太田市のバス会社の方が自宅に近いから、群馬県のバス会社に依頼する - 成田空港から東京ディズニーランドまでの送迎バス
東京都のバス会社に依頼する(どちらも千葉県にある) - 町田駅から鎌倉・横浜を経由して町田駅に戻る日帰りバス旅行
神奈川県相模原市のバス会社に依頼する(発着がすべて東京なので経由地である神奈川のバス会社には依頼できない)
借りられるけど料金が高くなる例
- 都内から新潟のスキー場までの送迎バス
新潟県のバス会社に依頼する
(行きは新潟から東京までお迎え&東京から新潟へ送り、帰りは新潟から東京へ送り&東京から新潟に戻るので2往復分かかる) - 東京から名古屋までの片道ずつ別のバス会社に依頼する送迎バス
行きは東京のバス会社に頼み、帰りは名古屋のバス会社に頼む
(行きは東京から名古屋に送り&バスは東京に戻る、帰りは名古屋から東京に送り&バスは名古屋に戻るのでやっぱり2往復分かかる)
ちょっとややこしいですが、最も貸切バスを安く借りるためには、できるだけ出発地(バスを乗る場所)に近いところに営業所(もしくは車庫)のあるバス会社にお願いすることです。
また、途中でバスを使わないからといって、いったんバスを返してしまうと「高くつく」場合があるということも覚えておきましょう。
貸切バスの「営業区域」についてまとめ
貸切バスを借りる場合のルール「営業区域」について解説してきました。送迎バスや観光バスを借りるのは初めてという場合、ちょっと戸惑いますよね。
「貸切バスの達人」から見積もりを依頼する場合、最初に利用したい日付やバスの種類、バスに乗車する最初の「出発地」を選択してから空きのあるバス会社をご紹介するシステムになっています。それはこの「営業区域」というルールがあるからなのです。
この「出発地」の都道府県を選ぶ際、うっかり間違えて「目的地」や「経由地」を選んでしまうご利用者さんがいらっしゃるようです。
その結果、「営業区域外だから見積もりできません」とバス会社から連絡をもらったという方もいらっしゃるのでは?
もし、出発地を間違えて入力してしまった場合は、あらためて見積もりを依頼しなおすか、事務局までメールでお問合せくださいね。
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