日野レインボー7M

実はとっても希少!小型の観光バスはチャーター(貸切)が難しい?!

こんにちは!編集部Iです。今回は観光バスタイプで最も小さいサイズの「小型バス」のあれこれについて調べてみました。

20年以上前に製造終了後、大手のバス事業者さんではほとんど廃車にしており、中古で大切に使い続けている事業者さんはいるものの、年々その数は減少しています。

その理由はバスの耐用年数は10~20年といわれているからです。さらにエンジンが排ガス規制をクリアしていないので、環境負荷も心配。

「貸切バスの達人」に参加しているバス会社さんが、登録しているバスの種類とその台数を調べてみても、最も多く登録されているのが「大型観光バス」で全体の約35%がこのタイプでした。

大型観光バス
乗車定員数45人程度の大型観光バスの登録が最も多かった!

続いて登録が多いのが「中型バス」で約24%。その次が「小型マイクロバス(約22%)」、「小型観光バス(約16%)、ミニバス(約3%)の順です(2024年3月現在)。

小型観光バスの登録が多いエリアを調べてみると、トップは茨城県と鹿児島県。次に多いのが東京都・福岡でした。

逆に登録が少ないエリアは、鳥取・島根・富山・和歌山です。(このエリア出発の方はご注意を!)

「大切に乗り継ぐ」ことも大事だとは思いますが、今後ますます厳しくなる排ガス規制や安全性能のことを考えると、さらに買い替えが進んでいくと思います。そもそもバスの耐用年数は10~20年といわれているので、すでにアウトですね・・・。

バス会社によっては、マイクロバスのシートを大型観光バス並みにゆったりしたものを装備するなど、観光旅行を意識した贅沢なタイプを所有しているところも少しずつ増えているようです。

今後、小グループなら小型マイクロバス、観光バスタイプやサロンバス希望なら中型、大型バスを手配するのがおススメです。

▼貸切バスの種類一覧
貸切バスの種類比較大型観光バス中型観光バス小型観光バス小型マイクロバスサロンバス

製造が終了して約20年以上経過している小型の観光バス

小型観光バスとは、全長7mで車幅2~2.3mのバスをいいます(小型マイクロバスの定義も同じ大きさ)。

各メーカー、車幅2.3mの中型バスの全長を7mに短縮して、小型バスとして製造してきた時期がありました。

三菱ふそうからはエアロミディMJ

東京ワーナー観光が所有する小型バス
写真の小型バスは三菱ふそう・エアロミディMJ

日野自動車からはメルファ7

タケヤ交通が所有する小型バス
写真の小型バスは日野自動車・メルファー7

そして日産ディーゼル工業(現:UDトラックス)のスペースランナー7があります(写真なし)。

いずれも2007年以降は製造されていないので、現在、貸切バスとして利用できるのは約20年以上前のものになるので、「新車」は存在しません。

小グループでの観光バス旅行に人気だったエアロミディMJ

三菱ふそう「エアロミディMJ」は、1985年11月に販売されたエアロミディMK126Fが1988年にフルモデルチェンジされた際、エアロミディMJシリーズとして独立したモデル。

観光バスタイプとしてリリースされた最小クラスのバスです。

エアロミディMJハイデッカー車
三菱ふそうのカタログより

写真は1995年頃のモデルで、最上級グレードのスーパーエクシード(ハイデッカータイプ)。座席は補助席なしで25人乗り。

エアロミディMJの座席
三菱ふそうのカタログより

カタログには、デラックスリクライニング式シート採用とあります。もちろん座席は各バス会社さんがカスタマイズしているので、当時の仕様の参考と考えてくださいね!

このエアロミディMJですが、路面からの衝撃を柔らかく吸収するエアサスペンションを採用。乗客が乗降しやすいように車体を沈める「ニーディングシステム」がオプションで用意されていました。

その後、モデルチェンジを重ねますが、2007年で生産終了となっています。

バス会社さんに取材をすると、このエアロミディMJの生産終了を惜しむ声がたくさん。
小さいながらも貫通式トランクルームがあり、社員旅行などでバス車内で飲むドリンク類やおみやげが増えた場合はとても重宝したそうです。

メルファ7の前身モデル、日野自動車・レインボー7M

写真は、1980年代後半に発売された日野自動車のレインボー7M。

日野レインボー7M
日野自動車のカタログより

ロイヤルサルーンEXという上級グレード。座席は補助席なしで23人乗りと27人乗りのタイプ。

日野レインボー7Mの座席
日野自動車カタログより

サロン付きの仕様になっており、後部座席が2脚(4席分)回転します。

その後、改良を重ね、1998年7月にフルモデルチェンジされた際にメルファ7と名前を変更。2004年まで製造されました。

ちなみに現在も運行しているバス会社さんに、小型観光バスの定員数(乗車可能人数)を調査したところ21~25人が平均的。ほぼ補助席をつけていないので、送迎用(補助席も使用する)としてはマイクロバスの方に軍配があがりますね。

小型観光バスのこれからと小型マイクロバスのこれから

小型観光バスの今までの歴史を振り返ってきましたが、いかがでしたでしょうか?

「小型観光バスって希少なの?じゃあ借りたい!!」、「小型観光バスでしかもサロンバスがいい!!」という問い合わせも事務局にあるようですが・・・。

ご出発の都道府県にあるバス会社で登録&空きがあったら“ラッキー”と思っていただいた方がよさそうです。

ちなみについ先日、9月に三菱ふそうのマイクロバス「ローザ」をベースにしたリムジン仕様車両をベトナムで250台受注したというニュースがありました。

ローザのリムジン仕様バス
ローザリムジン仕様の車内

超贅沢な内装に目を奪われた方も多いのでは?
座席数は通常の29席から19席に減らし、ゆったりとくつろげるスペースを確保。Wi-Fiや3G ネットワーク、DVDスクリーン、読書灯、冷蔵庫完備と至れり尽くせりです。

大型観光バス、高速バスなどで高級志向のバスが次々と導入されている今。日本でもこのような贅沢仕様の小型マイクロバスが増えていくかもしれませんね!

■取材協力・資料提供
株式会社ぽると出版

バス専門誌『バスラマインターナショナル』&
はたらくくるまの情報誌『ワーキングビークルズ』発行
体験型バスイベント『バステクフォーラム』開催
http://www.portepub.co.jp/

三菱ふそうトラック・バス株式会社
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/

日野自動車株式会社
http://www.hino.co.jp/

*小型観光バスについて詳しい仕様はこちら

いちばん小さな貸切バスは小型マイクロバス!

リエッセⅡ(マイクロバス)
リエッセⅡ(写真提供:日野自動車)

小型観光マイクロバスを所有しているバス会社さんは、全国にたくさんあります。

バス料金は出発地(バスに乗車する場所)から、最も近いところに営業所があるバス会社に依頼するほど安くなります。

貸切バス料金を安く抑えたいのであれば、無理して小型観光バスにこだわるのではなく、小型マイクロバスを検討してみるのはいかがでしょうか?もし、サロンバスが希望・荷物が多い・眺望の良いバス・ゆったりとしたシートでくつろぎたいということなら「中型観光バス」がおすすめ。

「貸切バスの達人」で「小型マイクロバス」と「中型観光バス」、両方の見積をとれるので、ぜひ比べてみましょう。

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